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先に結論を書きます。
- 携帯の解約金は、法令で上限が決まっています
- 違約金等と特定経済的利益の合計が千円を超える設定は禁止です
- ところが端末の残価と工事料の残債には、上限の規定がありません
- 私の残価は120,384円。解約金の約120倍です
- そして解約すると、同時に消えるものがあります
- 私はキャッシュバックを、届くメールアドレスごと失いました
「違約金がなくなった」という話は、半分だけ正しいです。なくなったのは解約金で、残債ではありません。
携帯の解約金は、法令で上限が決まっています
まず事実から書きます。電気通信事業法に、こういう規定があります。
(移動電気通信役務を提供する電気通信事業者の禁止行為) 第二十七条の三 総務大臣は…移動電気通信役務…を提供する電気通信事業者…を次項の規定の適用を受ける電気通信事業者として指定することができる。
指定された事業者がやってはいけないことが、第2項に並んでいます。その第2号がこれです。
その移動電気通信役務の提供に関する契約の締結に際し、当該移動電気通信役務の利用者に対し、当該契約の解除を行うことを不当に妨げることにより…総務省令で定める当該移動電気通信役務に関する料金その他の提供条件を約し…てはならない
そして「総務省令で定める」中身が、電気通信事業法施行規則の第22条の2の17に書かれています。第4号がこれです。
違約金等の額と特定経済的利益の額との合計額が千円を超えるものであること。
千円です。これを超える設定は禁止されています。
「特定経済的利益」も合算されます
見落とされやすいのがここです。上限は解約金単体ではありません。特定経済的利益との合計です。
条文では、特定経済的利益をこう定義しています。
違約金等の定めに係る期間における期間内変更等を理由として受けることができないこととする経済的利益
つまり「期間内に解約したら受け取れなくなるもの」です。解約金がゼロでも、解約すると消える割引や特典があれば、それも合算して千円までということになります。
この規定の対象は「移動電気通信役務」、つまり携帯です。しかも総務大臣が指定した事業者に対する規制で、すべての事業者が対象ではありません。条文の見出しにも「移動電気通信役務を提供する電気通信事業者の禁止行為」と明記されています。光回線はこの規制の対象ではありません。出典はe-Gov法令検索(2026年9月25日参照)。
乗り換え先の光回線の窓口へ記事の後半・広告
光回線の解約金は、別の世界です
同じ「解約金」でも、光回線には上の規制がかかりません。実際の額を見ます。
ドコモ光の料金ページには、こう書かれています。
当該期間内での解約…などの場合、更新期間を除いて戸建タイプ5,500円(税込)、マンションタイプ4,180円(税込)の解約金がかかります
携帯の千円より高いです。そして、もうひとつ注意書きが続きます。
(2022年6月30日以前にお申込みのお客さまの場合、戸建タイプ14,300円(税込)、マンションタイプ8,800円(税込)の解約金となります)
同じサービスでも、いつ申し込んだかで3倍以上違います。自分がどちらなのかは、契約した時期で決まっています。
ただし救いもあります。
ただし、契約満了月の当月・翌月・翌々月はかかりません
3か月の窓があります。ここに合わせれば、解約金はゼロです。
ドコモ光には、もうひとつ書かれています。「『ドコモ光』の契約期間とペア回線(『ドコモ光』と対になる携帯電話回線)の契約期間は別々に取り扱われます」。つまりスマホの更新月と光の更新月は揃っていません。まとめて乗り換えると、片方で解約金が出ます。
誤解|違約金がゼロなら、やめても損はしない
ここが記事の反転です。解約金をゼロにできても、やめるときの負担はゼロになりません。

同じ縮尺で並べると、こうなります。
| 費目 | 額 | 上限の規定 |
|---|---|---|
| 携帯の解約金(違約金等+特定経済的利益) | 最大1,000円 | あり(施行規則第22条の2の17第4号) |
| 光回線の解約金(ドコモ光マンションタイプ) | 4,180円 | この規制の対象外 |
| 工事料の残債 | 分割の残り | なし |
| 端末の残価 | 120,384円 | なし |
残価は解約金の約120倍です。桁が2つ違います。
私の残価は、明細に印字されています
120,384円という数字は、私の利用明細に書かれている実額です。
内、残価額は120,384円です
明細の読み方の記事で全文を公開しました。毎月1円しか払っていない端末の裏に、12万円が控えています。
この12万円は、期限までに端末を返せば免除されます。返さなければ払います。解約するかどうかとは、別の話です。乗り換えても残価は継続します(残価型プログラムの記事)。
機種代金が上がれば、残価も上がります。iPhone 18 Proの実質負担を4社で比較した記事で確認したとおり、4社とも実質負担は返却が前提です。10月23日発売のiPhone Duoは機種代金が364,800円からで、残価がいくらに置かれるかはProの実績から予測した記事にまとめました。
工事料の残債は、翌月に一括で来ます
もうひとつ、上限のないものがあります。ドコモ光のページにこう書かれています。
一部の「ドコモ光」工事料のお支払いは一括、分割をお選びいただくことができます。分割支払い期間中に「ドコモ光」を解約された場合、解約月の翌月に残債を一括で請求させていただきます
分割で払っていたものが、解約した瞬間に一括になります。解約金のような「更新月なら無料」の窓もありません。払い終わるまで、ずっと残り続けます。
同じ構造はホームルーターにもあります。SoftBank Airの端末代は48回払いで、支払期間は50か月から53か月です(ホームルーターと光回線の記事)。48回の分割が、50か月以上続く契約です。
同時に消えるものがあります
解約は「ひとつの契約を切る」話ではありません。ぶら下がっているものが、同時に外れます。

| 消えるもの | 何が起きるか |
|---|---|
| セット割 | 片方をやめると、家族全員分の割引が同時に止まります |
| キャッシュバック | 申請の案内が届く前にやめると、受け取る手段を失います |
| 残価の免除 | 返却期限と免除条件を満たさなければ、残価が請求されます |
| 故障時利用料の軽減 | 返却しても査定に落ちれば、別途かかります |
セット割は、固定回線1回線につき携帯10回線といった単位で効きます。ドコモならファミリー割引グループ内の対象回線すべてです(セット割の記事)。4回線が対象なら、光をやめた月から4回線分の割引が消えます。
返却しても査定に落ちれば22,000円、補償に入っていれば2,200円です。ソフトバンクは2026年8月19日以降の加入でDランクだと最大44,000円です(故障時利用料の記事)。
私は、キャッシュバックを2回取りこぼしました
ここからは自分の話です。この記事を書くまで、取りこぼしていたことに気づいていませんでした。
引越し前、私は光回線を4社使いました。BIGLOBE、ドコモ光、ソフトバンク光、So-net光です。乗り換えるたびにキャッシュバックの条件を見て選んでいました。
そのうちOCNとビッグローブのキャッシュバックは、受け取れていません。
理由は単純です。案内が、その事業者のメールアドレスに届くからです。そして私はすでに解約しているので、いまはそのメールを見られません。
案内は、11か月後に来ることがあります
これがなぜ致命的かというと、案内が届くまでの時間が長いからです。
キャッシュバックの記事で確認したとおり、NURO 光は利用開始から11か月後にメールが届き、そこから45日以内に申請します。GMOとくとくBBのauひかりは11か月目と23か月目の2回です。案内の宛先が @xxx.gmobb.jp のような、その事業者のアドレスであることも確認しました。
11か月待つ間に乗り換えると、受け取る前にメールアドレスごと失います。
乗り換えを繰り返す人ほど、取りこぼします
構造として書くと、こうなります。
- キャッシュバックは乗り換えの動機になります
- ところが案内は開通から半年以上あとに届くことがあります
- その前に次の乗り換えをすると、前の分が受け取れなくなります
- 次のキャッシュバックを取りに行った結果、前のを失います
私がやったのは、まさにこれです。キャッシュバックで選んで、受け取る前に次へ行った。金額の比較はしていましたが、受け取りのタイミングは見ていませんでした。
事業者によって、届き先が違います
念のため書いておくと、全部がそうではありません。いま契約しているJ:COMのキャッシュバックは、普段使っているメールアドレスに届きました。だから受け取れました。
届き先は事業者によって違います。申し込むときに「案内はどのアドレスに届くか」を聞いておけば、それだけで防げます。
契約のときに、解約の話は出てきません
売っていた側の話も書いておきます。
キャリアショップで契約の説明をしていたとき、解約したときに何が残るかを説明する場面はありませんでした。説明するのは加入の条件です。割引、特典、月額。
解約時の扱いは提供条件書に書いてあります。ただし契約の場でそれを読む人はいません。貶しているのではなく、そういう順番で組まれているという話です。
だから自分で確認する順番を持っておく必要があります。
やめる前に、4つだけ確認してください
- 端末の残価と返却期限 — 明細と契約内容の画面に書いてあります
- 工事料の分割が残っていないか — 残っていれば翌月に一括で来ます
- キャッシュバックの案内が届いたか — 届く前なら、受け取ってからにします
- セット割の対象回線数 — 片方を切ると、全部の割引が止まります

順番も大事です。残価の返却期限とキャッシュバックの申請期間が、いちばん動かせません。解約金は更新月に合わせれば消えますが、この2つは待つしかありません。
自分の残債は明細で確認できます。手順は明細の読み方の記事にまとめました。返すか払うかの分岐点は残価シミュレーターで計算できます。
乗り換え先を選ぶとき
光回線を乗り換えるなら、次の窓口のキャッシュバックも申請の条件から見てください。私が取りこぼしたのは、案内がその事業者のメールアドレスに届く型でした。申し込む前に、案内がどのアドレスに届くかも確認してください。
ここから先は広告リンクです。当サイトは窓口の順位付けをしていません。並び順は五十音順で、報酬額とは関係ありません。金額ではなく、この記事の主題である申請の条件を添えています。条件は変わるため、申し込む前に必ず各窓口の公式ページでご確認ください。
よくある質問
違約金は撤廃されたのではないのですか?
撤廃されていません。上限が決まっただけです。しかも対象は携帯で、光回線はこの規制の対象ではありません。ドコモ光の解約金は戸建5,500円、マンション4,180円です。
更新月に解約すれば、何も払わなくて済みますか?
解約金はかかりません。ただし端末の残価と工事料の残債は別です。更新月であっても、分割が残っていれば残債は請求されます。
端末を返せば、残価は払わなくていいのですか?
期限内に返却して、免除の条件を満たせば免除されます。期限を過ぎると免除される額が減ります。ドコモなら23か月目までが全額免除です(返却期限の記事)。
キャッシュバックはどうすれば取りこぼしませんか?
申し込むときに、案内がどのメールアドレスに届くかを確認してください。その事業者のアドレス宛なら、受け取るまで解約できません。申請の時期をカレンダーに入れるのも有効です。
スマホと光を同じ月に乗り換えてもいいですか?
契約期間が別々に管理されていることがあります。ドコモ光には「ペア回線の契約期間は別々に取り扱われます」と明記されています。揃っていない前提で、それぞれの更新月を確認してください。
備え付けの回線はどうなりますか?
管理費に含まれている回線は、個人では解約できません。共用部の設備なので、決めるのは管理組合です(マンションの回線は誰が決めるのかの記事)。速度が出ない場合にできることはマンションのネットが遅いときの記事にまとめています。
まとめ
- 携帯の解約金は、違約金等と特定経済的利益の合計で千円が上限です
- この規制の対象は携帯だけ。光回線は対象外です
- ドコモ光の解約金は戸建5,500円、マンション4,180円。2022年6月30日以前の申込みは3倍以上です
- 端末の残価と工事料の残債には、上限の規定がありません
- 私の残価は120,384円。解約金の約120倍です
- 工事料の残債は解約月の翌月に一括請求されます
- セット割・キャッシュバック・残価の免除は、同時に消えます
- 私はキャッシュバックを、届くメールアドレスごと2回失いました
やめるときに効くのは、解約金ではありません。残債と、同時に消えるものです。
いま明細を開いて、分割が残っているかを確認してください。それが分かれば、やめる時期は自然に決まります。
制度は変わります。この記事も改定のたびに更新し、末尾に修正履歴を残します。
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