端末の返却期限は3種類ある|「2年で返さないと損」は正確ではありません

4社の返却できる期間の比較図。ドコモは1から23か月目が全額免除で24から46か月目も返却可能、auは13から25か月目が全額免除で26から48か月目も返却可能、ソフトバンクは13から24か月目が最大36回分で25か月目以降が最大24回分、楽天モバイルは25から47か月目 通信

公開日:2026年9月9日/最終更新日:2026年9月9日

スギシー

スギシー通信業界10年/元キャリアショップSV

キャリアショップにSVとして入店し、代理店の売上を担当。うち5年半は共同創業者として経営側にいました。いまは建物管理会社の取締役で、通信の販売からは離れています。2026年5月に自分の2回線を実際にMNPしました。

先に結論を書きます。

  • 返却期限を過ぎても、返却はできます。ドコモなら46か月目まで。返却の権利は消えません
  • 過ぎると残価が24分割されて支払いが続きます。そして免除される額が減ります
  • 「返却期限」と呼ばれているものは3種類あり、混同されています

「2年で返さないと損」という説明をよく見ます。これは正確ではありません。2年で返さなくても返せます。減るのは免除される額です。

私は2026年5月にahamoで端末を購入し、いまも同じプログラムを契約中です。自分の契約画面には期限が年月で表示されています。その画面を後半で公開します。

混同されている3つの期限

まずここを分けます。

期限の種類 ドコモの場合
残価が全額免除される期限 23か月目まで
返却そのものができる限界 46か月目まで
申し込んだ後、返却する期限 利用申込みの翌月末日

多くの記事が①だけを「返却期限」と書いています。②を知らないと「もう手遅れだ」と諦めることになり、③を知らないと期間内に申し込んでも失敗します。

4社の期間

4社の返却できる期間の比較図。ドコモは1から23か月目が全額免除で24から46か月目も返却可能、auは13から25か月目が全額免除で26から48か月目も返却可能、ソフトバンクは13から24か月目が最大36回分で25か月目以降が最大24回分、楽天モバイルは25から47か月目
キャリア 全額免除になる期間 それ以降
ドコモ 1〜23か月目 24〜46か月目も返却できる
au 13〜25か月目 26〜48か月目も返却できる
ソフトバンク 13〜24か月目(最大36回分) 25か月目以降(最大24回分)
楽天モバイル 25〜47か月目 仕組みが異なる(後述)

始まりも違います。 auとソフトバンクは13か月目にならないと返却できず、楽天モバイルは24か月経過するまで返せません。ドコモだけが最初から返却できます。プログラム名のとおりです。

ドコモの「◯か月目」は購入月の翌月が1か月目です。提供条件書に「対象機種のご購入月…の翌月から23か月目まで」と明記されています。他社の起点は確認できていないので、ご自身の契約で確かめてください。

期限を過ぎると何が起きるか

ドコモの提供条件書には、こう書かれています。

支払期間(回数)を49か月(47回)に延長し、24回目(残価)の分割支払金をさらに24分割した金額を24回目以降の各回の分割支払金(以下「再分割支払金」といいます。)としてお支払いいただきます。

つまり23か月目を過ぎると、残価が一括で請求されるのではなく、24回に分けて毎月の支払いに乗ります。支払期間は49か月に延びます。

そして重要なのはここです。

24か月目以降46か月目までにご利用

返却の権利は残っています。24か月目以降に返却すると、利用申込み月分の支払いをもって割賦契約が終了します。それ以降の再分割支払金は払わなくて済みます。

auも同じです。25か月目までに回収されなかった場合、「お申し出がない限り、お支払い状況などに基づく一定の審査後、24回に分割します」と案内されています。

そして返却できる点も明記されています。

お支払い状況などに基づく一定の審査のあと、最終回お支払い分を25〜48カ月目に再度分割します。再分割後も当社が端末を回収させていただくことで、残りのお支払い分は不要になります。

「再分割後も」と書かれています。ドコモと同じ設計です。

なお、期限内に返しても返却すれば必ず免除されるわけではありません。査定基準を満たさない場合は故障時利用料がかかります。金額と条件は端末の返却で22,000円請求される条件にまとめました。

ソフトバンクは差を金額で示しています

いちばん分かりやすいのはソフトバンクです。免除される回数が明記されています。

申し込む時期 支払い不要になる機種代金
特典A 13〜24か月目 最大36回分
特典B 25か月目以降 最大24回分

差は12回分です。「2年で返さないと損」の「損」の正体は、この差です。全額を請求されるわけではありません。

楽天モバイルだけ構造が違います

楽天モバイルの買い替え超トクプログラムは48回払いで、残価を設定していません。25か月目から47か月目に返却すると、残りの支払いが不要になる形です。再分割という概念がそもそもありません。

そのぶん、24か月経過するまで返却できないという制約があります。

誤解|申し込めば、返却はいつでもいいわけではありません

3つ目の期限です。ここが最も見落とされます。

3社とも、申込みとは別に返却の期限を定めています。

キャリア 返却手続きの期限
ドコモ 郵送は利用申込みの翌月末(郵送期限)までに指定センターへ到着させる
au 店舗は申込日の翌月末日まで。郵送は申込日の翌月25日まで、かつ回収キット到着後8日以内に返送
ソフトバンク 特典利用の申込日が属する月の翌月末まで

auがいちばん厳しく、しかも二重です。翌月25日という期限に加えて、回収キットが届いてから8日以内という条件が重なります。キットの到着が遅れると、実質の猶予はかなり短くなります。

流れは2段階です。

1

期間内にプログラムの利用を申し込む

2

申し込んだ月の翌月末までに、端末を郵送する

2を過ぎると、1が期間内でも免除は受けられません。

端末の返却は、次の機種にデータを移してからでないとできません。「申し込む → データ移行する → 郵送する」を翌月末までに終える必要があります。データ移行を後回しにすると、ここで詰まります。

免除は自動ではありません

ドコモにはさらに条件があります。

  • 対象機種の購入日を1日目として、31日以内に返却手続きをすること
  • 購入と同一名義であること
  • 割引の適用を申し出ること

3つ目が特に重要です。黙って返却するだけでは免除されません。

私の期限は2028年4月です

自分の契約画面を公開します。

My docomoの契約内容画面。いつでもカエドキプログラム、加入月2026年5月、契約期間4か月目、23か月目は2028年4月です、プログラム利用料22,000円、2030年3月31日まで適用と表示されている

画面にはこう書かれています。

  • 対象電話機:iPhone 17 256GB
  • 加入月:2026年5月
  • 契約期間:4か月目
  • ※23か月目は2028年4月です
  • 2030年3月31日まで適用(分割支払金24回目を再分割した場合の最大適用日)
  • プログラム利用料:22,000円

2つの日付が並んでいることに注目してください。2028年4月が「残価が全額免除される期限」、2030年3月31日が「再分割した場合の限界」です。冒頭で書いた①と②が、そのまま画面に出ています。

加入は2026年5月なのに23か月目が2028年4月になるのは、購入月の翌月が1か月目だからです。2026年6月が1か月目で、そこから23か月目が2028年4月になります。

早期利用特典を取るなら22か月目、つまり2028年3月が私の分岐点です。

私は、返却期限まで案内していました

私は通信業界に10年いました。そのうち数年はキャリアショップにSVとして入店し、担当は光回線でした(経歴の詳細)。

店頭では、シミュレーションも返却期限も、返却できるようになる月も案内していました。丁寧に伝えることを自分のやり方にしていました。

ただ、それは親切心だけではありません。返却期限は、次の来店理由になるからです。

「2028年4月までに返却してください」と伝えることは、「2028年の初めにもう一度来てください」と言うことと同じです。期限を共有した時点で、次の商談のおおよその時期が決まります。そこでプランの見直しや機種変更の話になり、私の場合はそこから副商材である光回線の提案につながっていきました。

つまり返却期限は、客にとっても店にとっても、伝えたほうが得な情報です。利害が一致している数少ない項目だと思っています。

だから期限そのものは、聞けば教えてもらえます。問題は、聞かないまま2年が過ぎることです。

スギシー

私自身、今回の契約でも説明は受けています。ただ、内容は覚えていません。

説明する側にいた人間が、客の立場になると同じように忘れます。記憶に頼る前提の設計になっていないということです。

いつ返すべきか

期限そのものより、中古買取相場との比較が先です。

中古買取相場 < 残価 − 返却時の利用料

この式を満たすときだけ、返却したほうが手元にお金が残ります。詳しくは残価型プログラムはMNPしても継続するに書きました。自分の数字で計算したい方は損益分岐シミュレーターを使ってください。

そのうえで、期限に関する判断はこうなります。

状況 判断
ドコモで、返却する方針が固まっている 22か月目までに手続きする。23か月目まで待つと早期利用特典を失う
ドコモで、すでに24か月目を過ぎている 諦める必要はない。46か月目まで返却でき、以降の再分割支払金が免除される
auで26か月目を過ぎている 返却できる。再分割後も回収されれば残りの支払いは不要になる
ソフトバンクで25か月目を過ぎた 特典Bで最大24回分が免除される。全額の請求ではない
au・ソフトバンクで、13か月目より前に機種を変えたい プログラムを使えない。残債は残る
楽天モバイルで、2年より早く手放したい 返却できない。25か月目まで待つか、残債を払う
中古相場が残価を上回っている 返却しない。残価を払って売却するほうが残る

よくある質問

Q. 返却期限を過ぎました。もう返せませんか

ドコモなら46か月目まで返却できます。残価が24分割されて毎月の支払いに乗っていますが、返却すればそれ以降の支払いは終わります。

Q. 何か月目かは、どこで確認できますか

各社のアプリの契約内容画面です。ドコモの場合、プログラムの欄に「契約期間:◯か月目」と「※23か月目は◯年◯月です」が表示されます。

Q. 期間内に申し込めば、返却はいつでもいいですか

いいえ。ドコモとソフトバンクは利用申込みの翌月末まで。auは店舗が翌月末日、郵送は翌月25日まで、かつ回収キット到着後8日以内です。

Q. 期限内に返せば、必ず免除されますか

いいえ。返却した端末が査定基準を満たさない場合、故障時利用料がかかります。ドコモとauは22,000円、補償に入っていれば2,200円です。詳しくは端末の返却で22,000円請求される条件に書きました。

Q. 回線を解約した後でも返却できますか

できます。プログラムは回線契約とは別に続きます。auは「回線解約後も本プログラムの継続利用は可能」と明記しています。

Q. 「◯か月目」は購入した月から数えますか

ドコモは購入月の翌月が1か月目です。提供条件書に明記されています。他社の起点は確認できていないので、ご自身の契約画面で確かめてください。

まとめ

  • 返却期限を過ぎても返却はできる。ドコモなら46か月目まで
  • 過ぎると残価が24分割され、支払期間が49か月に延びる。auも同じで、再分割後も返却できる
  • 減るのは免除される額。ソフトバンクは最大36回分から24回分に減ると明示している
  • 「返却期限」は3種類ある。全額免除の期限/返却できる限界/申込み後の返却期限
  • 申し込んだ後、翌月末までに郵送しないと免除されない
  • 免除は自動ではない。31日以内、同一名義、申し出が必要
  • 期限より先に、中古相場と残価の関係を確認する
  • 期限は聞けば教えてもらえる。聞かないまま2年が過ぎることが問題

自分の期限は、アプリの契約内容画面に年月で書かれています。いま確認して、カレンダーに入れてください。

制度は頻繁に変わります。この記事も改定のたびに更新し、末尾に修正履歴を残します。

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この記事を書いた人
スギシー

通信業界に10年。キャリアショップのSVとして代理店の売上を担当し、うち5年半は共同創業者として経営側にいました。いまは建物管理会社の取締役で、通信の販売からは離れています。

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